君の名は。感想1 アンドロギュヌスと半身
君の名は。をDVDで借りて見ましたよおおおおお!!!!!
ネタバレしています。
見た前提の話をしていきます。
まず思ったのは...
運命論すごいな、と。
三つ葉と滝くんはなんでだかわかんないけどお互いに結ばれることが運命づけられていて、三つ葉の死によって一度は引き裂かれるんだけど2人でめちゃくちゃ頑張って未来を変えて最終的にはハッピーエンドという話なんだなぁと思いました。
三つ葉の半身は滝くん。滝くんの半身は三つ葉。
お互いに無くした半身を取り戻そうとする、その熱量だけで一気に最後まで突き進むお話なんだなぁと。
欠けた半身を取り戻す、というのは神話に基づいているそうです。
以下wikiから引用
両性具有の逸話として、プラトンの『饗宴』の中でアリストパネスが語ったとされる演説がある。この中でアリストパネスは、かつて男と女の他に「男女(おめ)」と称された両性具有者がおり、いずれも手足が4本ずつ、顔と性器も2つずつあったと説いた。ところが、ゼウスによってそれらを両断したため、手足が2本ずつ、顔と性器が1つずつの2人の「半身」となり、それぞれが残された半身に憧れて結合しようと求め合った。そして元々男女だった男と女が互いの半身、すなわち男は女を、女は男を求める事になった。それが男女の愛であると説いた。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/両性具有
なるほどなるほど。
男と女は昔は1つの生き物だったんだね。それが神様によって引き裂かれてしまったんだね。そして欠けた半身を探し求めるのが男女の愛なんだね。
これはとてもロマンチックですよ。
この世のどこかに、欠けた私の半身がいる。
どこで何をしているんだろう?どんな人なんだろう?いつか出会えるのかな...出会えたらわかるのかな...?
10代だったら素直にそう思っていた。
でもね、こちとら心が汚れちまったアラサーですからよ。
そう素直にストンとは腑に落ちないんですわ。
まず、両性具有ちゅう前提からしてわからん。
男と女は昔はひとつだった?
いやいや人間たった1人で生まれてきてたった1人で死んでゆくんだよ。
魂はそれぞれ別個の単体であるのが当たり前と思ってる私。昔はセットだったなんてイメージしにくいんですわ。
この世の全ての人に半身という特別な存在があるのであれば。
例えば若くして命を落としてしまった魂は?
その魂にも半身があるんでしょ?
その半身は一生運命の人に出会えないじゃないか。
そして半身に出会えなければそれは運命の恋じゃないってことなの?
所詮は運命とは違う仮初めの恋?
それは違うでしょと思うんです。
運命の恋だと思っても、ずっと一緒にいればお互いの悪いところが目についてしまったり
思いやりを持てなくなったり、ケンカしてしまったり。
気持ちが冷めてしまったり、他の人に気持ちが向いてしまったり。
いくらでもあると思うんです。
人生のパートナーと一生添い遂げるには、運命は必要なくてひとえにお互いの理解と忍耐と優しさが必要だと思うんです。
私が言いたいのは、
半身なんてないよ。
所詮は他人だから。
他人とは分かり合えない。
それでも2人で生きるんだから、工夫をしていかないといけないんだよ。って現実的なところ。
その現実的なところをすっとばして、
三つ葉の半身は滝くんなの!
滝くんの半身は三つ葉なの!
だって運命でそう決まってるの!!
で最後まで突っ走るのが多分違和感なんだなぁと思います。
三つ葉と滝くんはお互いに入れ替わってるけど、直接会話して理解を深め合ったわけではないし
お互いどうやって惚れていったんだろう...?
てとこがよくわからないんですよね。
メールも日記も交流していたけど、お互いにガツガツ文句言ってたし軽いノリだったからねぇ。
特に三つ葉が滝くんに惚れた理由がよくわからない。
滝くんが三つ葉に惚れるのはわかるんですよ。
女子力高いし優しいし、よくできた女の子だから。
あとおっぱいきれいだし、あんなに胸揉んでたらもう性欲すごい高校生なんてもう惚れるだろ(適当
ただ...三つ葉ってどのタイミングで滝くんに惚れてた?
????????????
滝くんに何か惚れる要素あった??????
おっぱいは揉みまくるわ、田舎だって馬鹿にするわ、男らしく振舞って周りを翻弄するわで結構勝手な奴じゃなかったか?
それに...そんなにイケメンか...?
誰か教えてもらえませんか?本当に。
あとよくわからないのが、三つ葉はなんで滝くんが奥村先輩とデートする日に会いに行ったのか。てこと。
あの時にはもう好きだったんだよね。
だからデート現場に行けばすぐ見つけられるのにわざとはずして自宅周辺や電車を探してる。
そして滝くんに「誰?」って言われてショックで髪を切っている。
でもなんでわざわざデートする日に行くかな...
結果が気になったのもあったのかな。
奥村先輩とうまくいってたら、友人として気持ちを隠して応援するつもりだったんだろうか。
このへんの乙女心よくわからないんです。
人と人が理解し合うのってものすごく大変なことじゃないですか。
この過程が描かれてないのがちょっと、現実的なアラサーおばさんにはハマらなかったのかもしれないっすね。
滝くんのバックグラウンドがもうちょっと描かせていればよかったかもしれないね。
父子家庭ではあるけど、お母さんがどうなったのかはわからなかった。
何不自由ない、東京の生活を楽しんでる普通の男の子だったから...
滝くんの心の悲しみみたいなものに三つ葉が気付くとかあれば、滝くんのこと好きになる説得力が増したかな。
滝くんのほうにその描写はあるけどね。巫女の仕事、大変だなとか...特殊な家に生まれて難儀だなって同情はしてたと思うよ。
とりあえず私が言いたかったのは、半身なんてねーよ。
ただ人は理解者を求める。愛を求める。
どーしよーもなく孤独で寂しい生き物で、だから悩ましいし難しいけど生きて行くしかないんだぜ。ってことなんでした。
長文になってごめんなさい。