好きな神話のモチーフ1
物語を読んでいると、神話や童話のモチーフによく出くわします。
私が好きなモチーフを箇条書きで書き連ねてみますね。
君の名は。のネタバレしたくない人は回れ右ですよ。
◯トンネルのモチーフ
物語にトンネルが出てくると、トンネルのこちら側とあちら側では世界が変わってしまうという意味を持っています。
トンネルは産道のイメージ。
トンネルを抜けると生まれ変わる、今までとは違う自分になるという意味も。
またトンネルを抜けている最中は生まれ変わる前の試練ととることもできます。
印象的なのは崖の上のポニョの後半に出てくるトンネルですね。
あのトンネルを抜けると明らかに死後の世界になってますね(足の悪いはずのおばあちゃんたちが走り回っている)
生まれ直すということは一度死ぬということなので、トンネルに入る前ポニョは本能的に嫌がっています。
トトロでは、メイがまず低木のトンネルを抜けさらにご神木の根っこのウロ(産道のよう)に落っこちた先にトトロのいる異界がありました。
◯この世から異界に渡るときは、「川」「海」「橋」「トンネル」を変えていく。これらは二つの世界を隔てている
浦島太郎なんてモロですね。
千と千尋なんかは、最初に親子3人でトンネルを通り、次に川を越え最後に千尋1人で橋を渡っています。
これでもか、の畳み掛け!湯屋がこの世からかけ離れた特別な場所だということを人の深層心理に訴えかけわからせてしまう。
君の名は。もそうです。
隠り世に行くとき、三つ葉と四つ葉、一葉おばあちゃんは川を越えていますね。
このとき四つ葉は石の上を跳ねて川を渡り、三つ葉は石の上を渡るおばあちゃんを支えるため川の水に足をつけて 渡っていった。
滝くんもこの川を渡るとき靴をざぶざぶと川の水につけて歩いていきましたね。
なんか示唆的な気がするんです...けど、うまく言えないっす
◯この世と異界の境界を超えやすいのは「女」「子供」「二つの生物がくっついたもの」「両生類」「老人」「まっすぐ歩けないもの」
トトロなんかでは、境界を超えちゃうメイとさつきは「女」であり「子供」だし
ポニョは「女」だし「子供」だし「半魚人」
ポニョのモチーフになっている人魚姫もそうだね。
浦島太郎では異界への案内人は亀。浜辺にも行けるし海でも泳げるから腑に落ちるね。
あと童話によく登場するカエル。「カエルの王子様」では池のカエルがお姫様を追いかけてお城までやってきちゃう。
あと私が面白いなぁと思うのは「まっすぐ歩けないもの」
どうしてまっすぐ歩けないと境界を超えやすいのか?納得できる説明はないんだけど、代表としてはカニ。
「眠り姫」では冒頭にカニがでてきて「お妃様に女の子の赤ちゃんが産まれますよ」って予言する。
そこから異界が始まっていたのかな。
ポニョではフジモトがカニ避けの結界を張っている。カニは境界を超えやすいから警戒していたのかな。結局ポニョのせいで破られて、カニの大群が押し寄せてるけど笑
◯異界では異界のものを口にすると異界の存在になってしまう
千と千尋が一番わかりやすいんですけど、千尋のご両親は異界で異界の食べ物を口にし(しかも神様の食べ物を勝手に)人間の姿を失い豚の姿になってしまう。
千尋はハクに「このままでは消えてしまう。これを食べなさい」と謎の丸い玉をもらう。
姿が消えかけていた千尋は、異界の丸い玉を食べるとことにより異界の存在になり消えなくて済む。
これってハクが魔法使いだから千尋に不思議な丸い玉くれたんでしょ〜?って理解してる人かま多いかもしれんけど、
本質は異界のもの食べないと元の世界の存在のままたまから食べなさいってことなんだよね。
そういう神話いっぱいあるから、論理的に説明されなくても「なんとなく」伝わってしまう。
宮崎駿監督は本当にすごいです...
集合的無意識、人の原始的な意識を信じている...
ヘンゼルとグレーテルでは、森深くのお菓子の家という異界で異界のお菓子を口にし、魔女に囚われてしまう。
三枚のおふだでは、山に迷い込んだ小僧さんにおにばばあが美味しい夕食をふるまい、食べようとする。
異界に入ったら、食べ物に注意!ですね!
まだまだ好きなモチーフあるんで続きます